2014年3月30日日曜日

さくら。

花見、という言葉を耳にする季節になった。

以前の勤め先に通っていた頃は生活動線上に桜があったので毎年桜の季節が分かったのだが、今の勤め先、ちょっと外れれば名所もあるというのに、そう、動線上には桜が無い。

「咲いてますよ。」

という言葉をあてに、ふらっと買い物ついでに桜を観ると、ああ、咲いているのね。

日本人は桜が好きね。
聞いた話によると、今世間で咲き乱れるは染井吉野という品種で、江戸時代に作られたものだとか。特徴は、花と葉の時期が異なる。つまり、花の時期は花だけが咲き誇る、という訳だ。古代の日本人は、桜と葉の入り交じった花を観ていたそうだよ。

そう考えるとプリミティヴな日本、仏教伝来以前の日本のスタイルを標榜するややさん的にはね(ってかそんな前のこと知る由もないんだがさ)、桜なんてもう、どうでもいいのかね。なんだか特に感情も湧き立たず。

いろいろなものに対して情熱を注げなくなった。でもいいことだと思う。余分が剥がれ落ちて、最後に残ったものが何になるのか。


数ヶ月前、会社の20代の女性二人ととある風情あるエリアに営業に行ったのだが。
桜の樹が、道路を跨ぐように枝をのばしていてね。
直属の部下に言ったさ。

「ここはね。」「桜の季節になると、花が大変綺麗だろうね。」
「でも、五月になると、毛虫がボトボト落ちて来るんだよ。」

部下。笑いながら。
「珍しくとってもロマンティックなこと言うな、と聞いていたんですが。」
「後半はややさんぽくて。」

俺は毛虫の話が似合う男なのか。

ふん。