2010年9月17日金曜日

猫。

ちょっと嫌なことがあったので、真っ暗な部屋の床に寝そべってストロウベリ・フィールズ・フォエヴァを聴いていた。大きな音で。

嫌なこと、というのは、外的な要因ではなく、自分の中から湧き出て来た負の感情だ。自分の弱さを認めるというのは人間にとって堪え難いことではある。少ない酒で酔いが回る。

ストロウベリ・フィールズ・フォエヴァ。
かの地に行きたくて10年程前飛行機に乗った。おかげで、行きたいところが無くなった。出雲とストロウベリ・フィールドが俺の聖地だ。

それはさておき。

暗闇で寝そべると、気配を感じる。それは体側に近づく。猫。ルビィちゃん。美しき馬鹿猫。
目を閉じたまま、俺は奴の尻尾の先を、意地悪に掴んだ。そして、絶対放さない。

尾を拘束された奴は、抵抗を試みる。試みとして、俺の、腕を、なめまわした。


噛むでも無く。引っ掻くでも無く。奴は、なめる。
俺を憎んで、それでも俺の腕をなめる猫を不憫に思ったので、俺は手を放した。
誰に似たのか。馬鹿な育て方をしたもんだ。
 

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