ゆっくりと土曜の夜は更けていく。初めて会った人の昔話を聞きながら、人は語りたがるものだ、人は聞いて欲しいのだ、などとぼけっと考える。
老人は寂しがりやだ。今まで聞いてもらえなかった自分を、残り少ない時間内で話そうとするのだろう。
深夜帰宅のタクシーに乗る。運転手が外国で囚われの邦人が殺害されたようだ、と語る。
「ラジオつけましょうか?」
いや、結構。明日朝になればそれに関する情報の洪水に飲み込まれることになるだろう。それまでは少し放っておいて欲しい。
哲学という言葉を最近頻繁に使う。他人に哲学を求めて詰め寄っているのだ。しかし言葉はブーメランのように自分に返ってくる。
「お前の哲学はなんなのだい?」
いえ、答えはないのですよ。でもね、それを求め続けなくなったら、それは老いるということだ。そう思っている。
肉体は確実に衰えている。自分はいつ老人になるのだろうか。老人になることは、良いことか悪いことか。良い老人と悪い老人。ケッケ、そんなものあるのかね。
良い子悪い子普通の子。ハイスクール・ララバイ。
人は自分が良い人であろうと思うものだ。とか考えながら、そうでも無いのかな。とも思う。どうなんだろう。あなたはなにもの?
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