世界から不要の烙印を押されたので、ぼけっとベッドに横たわる。
猫がよって来て、わたしの腕を二回舐める。
幼児が母に求める愛は庇護を求める愛だが、大人の愛の関係というのは「ギヴ・アンド・テイク」だ。もしあなたの恋人との関係が一方通行のものだったら、そんなものは即刻解消すべきだ。
猫がわたしに示す愛は「庇護」を求めているのか、「ギヴ・アンド・テイク」なのか。どっちにせよ、猫がうちにいるのはわたしの「ギヴ(与える)」の練習なのだから、どちらでもいいことだが。
あまりになにも与えずに生きて来過ぎた。かと言って、与えられて来たのかというと、そこに関するアンテナは鈍感だ。沢山与えてもらっているのだろう、実際は。
しかし、いつでも渇いている。
CDのトレイには、ずっとヴェルヴェット・アンダーグラウンドの3rdアルバムが入ったままだ。それはオカマの独白からはじまる。
「あたしの身体が憎くなってきた。」
別にオカマに言わせなくたって、自分のことなんてみんな嫌いだ。人はどこかしら欠落しているものだ。
しかし欲しいものが全部手に入ったのなら、それはそれで別に生きている意味も無いだろう。
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