2013年5月4日土曜日

電車の中で。

ゴールデンウィーク、野暮用があって渋谷に向かう。
無職の頃通っていた専門学校に用があったのだが、着いたら休みだった。事前に調べるのが人として正しい道だとは思うが、正しい道を歩いていたら今の場所には辿り着いていないだろうよ。


そのまま帰るのもなんなので、渋谷のタワーレコーズでCDを3枚購入。そこそこ面白かった。
レコード屋はどんどんつまらなくなって来ている。不良在庫を抱えたくないだろうから、品揃えはどんどん堅いものになっていくし、それは店の没個性化となる。
以前からよく使っていた街場の老舗レコード屋が先日潰れた。全盛期は同じ駅前に3店舗も構えていたのにね。
タワーレコーズの膨大な在庫は、久し振りに「面白い」と思えた。結局、この時勢では大資本かカルトの両極端でしか成り立たんのだろう。


レコード、CDというフォーマットも廃れるのだろうな。サージェント・ペッパーズやダークサイド・オブ・ザ・ムーンみたいな表現は今後減るのだろうな。
あれは「LP」というフォーマットの中での表現を前提に作られているのだから。フォーマットが変われば表現されるものも変化する。


帰り、山手線に乗る。タイミングの問題か、空いていた。席が空いていたので座る。
向かいに女性3人。中年女性。その娘と思しき小学生の女の子。もうひとり、やけにケバい化粧の中学生だと思う、がいる。
中年女性は失礼だが地味目の方で、小学生は如何にも小学生。しかしひとり中学生か高校生か、の女だけトーンが違うので、関係者か否か一瞬判断に迷う。
結局親子3人のようだった。3人、顔が似ている。


そのケバい娘は、短いジーンズのホットパンツに濃い黒のストッキング、真っ赤なハイヒール。若くまだ奇麗な肌の上にほんのりとチークをきかせ、真っ赤な口紅、そしてボクが大嫌いな、浮きまくった付け睫毛をしていた。


このメイク、なんだろう、ああそうだ、売春婦だ。
昼間から売春婦のようなメイクの中学生が電車でお菓子を食べている。
「あんた、娘に昼間から売春婦みたいなメイクをさせてよく平気だね。」
と母親に言いたくもあったが、別に他人ごと。


地味目の母親と、そのケバい娘は顔がそっくりだった。大変失礼だが、お世辞にも美人の系統では無い。めくれ上がった小さな上唇、やや張ったエラ、横に広い鼻。
娘は、化粧で地味な顔を「派手」にすることには成功しているようだ。それでもあのマスカラギトギトの付け睫毛は引くが。


結局、派手に上塗りしたいのだろう。自分が嫌いだから。化粧で自分自身の劣等感をマスキングできるなら、それでいいじゃない。
でももう少し品のいい方がいいがな。そして真っ赤なハイヒールは、人を選ぶのよ。


どうしたいんだろうな。そしてどうなるのだろうな。
などと電車の中の数駅で考える。それが分かれば、今の場所には辿り着いてはいないだろうよ。
 

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