2010年10月17日日曜日

裏切り。

時間を潰す方法も分からないので、家にあった短編小説集を引っ張り出す。このタイトルは15年以上も前から家にあるのだが、読んだことは無い。ついでに言えば、俺が買った訳でもない。
小さ過ぎる活字を追う。それは子供の頃会った外国人の回想から始まって、大学生の時にバイト先で知り合った女子大生の話になる。

「彼女は駒込の兄と暮らしていた。彼女によれば、一緒に暮らしているというよりは彼女がそこに転がり込んだとのことだ。彼女は父親とソリが合わなかった。」

ふーん。親とソリが合わない、というのは一般的なことなのか。
親というのは、少なくとも半分はあなたの「元」となっている人なんだけれどもね。兄弟とまでなると、ほとんど同じ人と言えるくらい近い存在のはずだ、遺伝子学的には。

でも意外と親とか、兄弟とは理解し合えないものだな。不思議だよ。

俺自身について考えると、またこれが手に取るように父親と母親のダメなところが混在して自分の中にあるのが分かる。笑っちまうな。
結局、父も母も自分で解決し切れなかった問題を子供に押しつけたのだろう。
まぁただこれについては多分一般的なことだろうから、それについてどうこう言っても始まらない。親譲りの負の遺産を、解決すべく暮らすのみだ。
なんだか厄介な問題を抱えた「自分」というものとこれからも付合わねばならないことを考えると、妙におかしい。
逃れられない困難には、楽しむ姿勢で挑むことが大切だ。

俺のわきで猫が寝ている。耳の先を指で弾く。ぴんぴん。ぴんぴん。
猫は面倒臭そうに目を覚まし、俺の手の甲を舐めた。

絶対的な信頼関係。これは何もしないで与えられたものではない。不幸にも、世の中には猫と長年二人だけで過ごしても「信頼関係が壊れている」というケースはあるのだよ。何故かそれを知っている俺は、自分の薄っぺらい愛情を、それでも目一杯注いだつもりではある。
猫なんかに愛情を注いだところで、何の見返りも無いのだけれどもな。猫への愛は一方的なもの。

まぁそれでも奴が俺を裏切らないという安心感を得られたならば、それもいいだろうよ。

俺を、裏切らないでくれ。
英語にすると、Don't Let Me Down ってところかな。合ってる?

俺はおまえを裏切らない。おまえは俺を裏切らないでくれ。猫に対して与えられるものを、しかし人に対して与えるという方が難しいのは不思議。


なーんてね。
ジンとウオツカとラムが同時に切れた。火曜日の夜まで禁酒しよう。
今日はいい一日でしたか?良かったですね。あなたの幸せがわたしの幸せです。

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