2010年12月22日水曜日

新宿。

昼過ぎに、仕事絡みで新宿に呼び出される。あまり普段付合いの無い業界なのだが。
先方は二人出てきて、そのうちの歳上の方はサクサクと僕の持ってきた書類に目を通し、
「もう僕の方は(もう話すことも無いから)いいよ。もういいんじゃない?」
と話をはやく終わらせようとする。
ちょっと一般的なビジネスとは異なる業界なので真意は掴みかねるが、呼び出しておいて「もういいんじゃない?」というのもな。
普通に考えれば「この件はダメだから、もう話してもしょうがない」と解釈出来そうだが。しかし話相手を前にそういう態度、とるかな。
「この件はOKだからもういいよ」なのかね。そっちならいいんだけどね。


あっさりと新宿の用事が終わる。駅までの地下道を歩いて通ると、ああ、ベルクがあるじゃない。
http://www.berg.jp/index.htm

ちょっと新宿の文化人を気取るなら、ベルクだよね。チーズ・ドッグとビールを頼む。酒なら朝から三杯程カクテルを飲んで出て来たのだが。それでも昼下がりのベルクのビールというのは、それはまた別の気分だよ。
平日の日中、妙に気の強そうな(所謂団塊の世代を闘い抜いて来たような)おばさまや、おっさん、どっかの劇団員風の若者、あと得体の知れない高校生くらいの歳の女の子達。コーヒーかビールを片手にぼけっと過ごしているね。

僕は壁に貼られたモノクロのヌード写真を眺めながら、立ってホットドッグをかじる。このヌードは、アングラ劇なのか、それともストリップなのか。 多分、後者だな。アートなのか、エロなのか。しかし、踊り子達の体型の悪いこと。昭和の女の体だ。骨が太く、くびれのはっきりしないウエストライン。手足 は短く頭骨が大きい。郷愁感のある肉体が、かえってエロスを感じさせる。

新宿。
以前も書いたことがあるのだが、僕は中央線が苦手だ。そして中央線に住む人達の自意識みたいなものも苦手なのだ。
もしも彼等がその自らの世界を「アウトサイド」と解釈しているのならば、そこにすら馴染めない僕はどこの世界の住民なのだろう?「アウトサイド」の裏側は、「インサイド」か。しかしどう考えても「インサイド」のいきものでは無いな。
インサイドとアウトサイドの、継ぎ目の狭いどぶにでも生息してるのだろうかね、僕は。

滅多に入らないベルクで、チーズ・ドッグを頼んでしまった。ソーセージの味を楽しみたいのなら、チーズは余分だったな。
今日はマクドナルドでビッグマックが200円だ。なにをベルクでビール片手に贅沢しているのだろうね。
意味も脈絡も無く、帰って Kate Bush のアルバムでも聞こう。そう思った。
 

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