2010年11月27日土曜日

TAXMAN 。

ビートルズのメンバーで最初に出会っていたのはポールとジョージだ。
ポールが中学の授業をサボってタバコを吸いにいったら、そこで先にタバコ吸ってたのがジョージだったとのこと。ウマがあったのか、二人でヒッチハイクの旅とかして遊んでたらしいよ。
ビートルズの中で音楽を介在にしないで知り合ったのはこの二人だけだね。

ポールが歳上のジョンのバンドに入った後、ジョンに「友達にギタリストがいるんだ。」といって紹介したのがジョージ。でもジョンは乗り気じゃなかった。ただでさえ歳下のポールを入れたのに、さらに歳下のヤツが入るなんてさ。ティーン・エイジャの頃の年齢差は大きい。
まぁ結局ジョージも入って、ジョン、ポール、ジョージの3人組が出来る訳だが。
ジョンのアート・スクールの親友ステュを巻き込んで(ステュはベースなんて弾けなかったんだが)、出入りしてたクラブのオーナーの息子、ピートをドラムにしてビートルズの原型が出来る訳だ。ハンブルグ巡業で海の男達を相手に修行。

ステュが抜け(直後に死亡)ポールがベースにまわり、ホモのユダヤ人ブライアンがマネージャーに名乗りを上げてから精力的にデビュー作戦に出る。
なかなか困難だったが、しばらくしてなんとかEMI系列と契約が取れる。
そのタイミングでピートをクビにして、同郷のリンゴ・スターを迎え入れる訳だ。
1962年。

未だにピートをクビにした理由は分からんのだがね。
定説では「ドラムが下手だったから」なのだが、別にポール以外はリンゴも含めみんな楽器下手だからな。それに誰もビートルズの演奏能力なんて気にして無かったってさ。
ただ、ピートからリンゴに変わってグルーヴが変わったのは確かだな。パンキッシュになった。ピートってズッタタ ズッタってノリなんだよね。リンゴってダタタ ダタタ ダタタ ダタタなんだな。

1970年に解散。
なんで解散したのか。そりゃナンセンスな質問だよ。「オトナになった」んだよ。
そんだけだろ?
よくジョンとポールの不仲みたいに言われるけど、メンバー間で一番冷えきってたのはポールとジョージじゃないかね?しかもかなり早い段階で。

TAXMAN 。ジョージの曲。
ジョンとポールはソング・ライティング・チームだったのだが、ジョージはひとりでやらにゃならんかった。
1966年のある日、ジョージからの電話を受けて、ジョンはマイッタな、と思ったらしい。曲を書くのを手伝ってくれだとさ。
「でもジョージはポールに頼む訳にもいかないだろうから、俺が引き取るしかなかった。」

TAXMAN はジョージの曲で唯一アルバムのオープニング・ナンバーとなった曲。
コンプの利いた中で気怠いカウントから始まる。
ジョンのギザギザのギター・カッティング。
小刻みに空間を切り分けるリンゴのスネアのフレイズ。
ポールはこの曲で神懸かったベースと、リード・ギターを弾く。
そう、ポールの演奏は神懸かって、一体ギタリストのジョージはこの曲でなんの楽器を弾いたんだろう?
ジョージもこの曲のポールのギター・ソロはお気に入りみたいだよ。ジョージのギタリストとしての必然性は、マルチ・トラック・レコーディングの技術進化によって薄くなっていくのだがね。ポールがギターも弾くから。

先日、iTunes でビートルズの曲のダウン・ロードが始まったそうだ。
初動一週間の、最も売れた曲は Here Comes The Sun だったとのこと。
ポールの曲でも無く、ジョンの曲でも無く。
これは1969年にジョージがアップルの仕事をサボって、エリック・クラプトンの庭で作った曲。

 Little darling, I feel that ice is slowly melting
 Little darling, it seems like years since it's been clear
 Here comes the sun
 Here comes the sun and I say
 It's alright

ジョージが生きていたら、この結果をどう思ったんだろう?
なんとなく、よかったね、ジョージ。と言ってみる。

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